賃貸の見積書を見ると、敷金や仲介手数料と並んで「保証料」「保証委託料」といった項目が入っていることがあります。金額は数千円の物件もあれば、家賃1か月分ほどになる物件もあり、初めて見ると高いのか安いのか判断しにくい項目です。しかも保証会社の費用は、契約のときに一度払えば終わりとは限りません。1年ごとに更新料がかかる型や、家賃と一緒に毎月払う型もあり、住んでいる間の負担まで含めて考える必要があります。
この記事では、賃貸の保証会社の費用の決まり方と目安、見積書と契約書のどこを見ればよいかを順に説明します。
前提:保証会社は家賃の支払いを保証する会社
保証会社(家賃債務保証会社)は、借主が家賃を払えなくなったときに、借主の代わりに貸主へ立て替えて払う会社です。立て替えた分は、あとで保証会社から借主に請求されます。つまり保証会社に払う費用は「家賃を払わなくてよくなるお金」ではなく、貸主に対する保証を引き受けてもらうための手数料です。いまは多くの物件で、保証会社の利用が入居の条件になっています。背景の一つが、2020年4月に施行された改正民法です。
個人が連帯保証人になる場合は、保証する上限額(極度額)を契約で決めなければならなくなりました(民法465条の2)。手続きが増えたこともあり、連帯保証人の代わりに保証会社を使う物件が増えています。なお、国土交通省には家賃債務保証業者の登録制度があり、登録した会社は国土交通省のホームページで確認できます。
保証会社の費用は3つの型に分かれる
保証会社の料金は会社やプランによって違いますが、おおまかに次の3つの組み合わせでできています。
- 初回保証料:契約のときに1回払う費用
- 更新保証料:1年や2年ごとに払う費用
- 月額保証料:家賃と一緒に毎月払う費用
初回保証料と年1回の更新料の組み合わせが多く、そこに月額型が混ざるプランもあります。同じ家賃の物件でも、指定されている保証会社とプランによって、2年間の合計は数万円変わることがあります。
初回保証料の目安
初回保証料は、総賃料の何%という形で決まることが多く、一般的には50〜100%ほどの幅があります。家賃と管理費の合計が7万円なら、3万5千円から7万円ほどになる計算です。総賃料に関係なく「2万円」「3万円」のように決まった額のプランもあります。ここで大事なのが「総賃料」に何が入るかです。保証会社によっては、家賃だけでなく次のような毎月の費用も合わせて計算します。
- 家賃
- 管理費・共益費
- 駐車場代
- 町内会費や水道代など、毎月定額で払う費用
駐車場を一緒に借りる人は、駐車場代の分だけ保証料も上がることがあります。見積書の保証料が思ったより高いときは、何を合わせて計算しているかを担当者に聞いてみてください。
更新保証料と月額保証料
初回保証料のほかに、1年ごとに1万円前後の更新保証料がかかるプランがよくあります。総賃料の10%前後と決めている会社もあります。2年契約で住む場合、契約時の初回保証料に加えて、1年後に更新保証料がかかる計算になります。月額型は、総賃料の1〜2%ほどを毎月払う形です。初回の負担は軽くなりますが、長く住むほど合計は増えます。たとえば総賃料7万円で月額1%なら毎月700円、4年住めば3万円を超えます。
初期費用の安さだけで選ばず、住む予定の年数で合計を比べると判断しやすくなります。

2年間の合計で比べる計算例
総賃料が月7万円の部屋に2年間住む場合で、よくある3つのプランを比べてみます。金額はあくまで計算の例です。
- プランA(初回50%+毎年1万円):初回3万5千円+1年後1万円=2年で4万5千円
- プランB(初回100%・更新なし):初回7万円=2年で7万円
- プランC(初回1万円+月額1%):初回1万円+毎月700円×24か月=2年で2万6,800円
この例では、契約時の支払いが最も少ないプランCが2年間の合計でも最も安くなります。ただし住む期間が延びるほど月額の分が積み重なります。更新料のないプランBと比べると、7年あまりで合計が逆転する計算です。何年住むつもりかによって有利なプランは変わるため、見積書の金額だけでなく、2年後・4年後の合計まで一度計算してみてください。計算するときは、総賃料に駐車場代などが含まれるかも合わせて確認すると、ずれが出にくくなります。
保証料は戻ってこない
敷金と違い、保証会社に払った費用は原則として戻ってきません。短い期間で退去しても、初回保証料が日割りで返ってくることは通常ありません。更新保証料も、払ったあとすぐに退去したから返金されるという扱いにはなっていないのが一般的です。また、保証料を払っていても、家賃を滞納すれば保証会社から請求が来ます。滞納の記録が残ると、次に部屋を借りるときの審査に影響することもあります。
保証会社は「入っていれば安心」なものではなく、あくまで貸主のための仕組みだと考えておきましょう。
見積書と契約書で確認する場所
費用を確かめるときは、見積書と保証会社の契約書の両方を見ます。見る順番は次のとおりです。
- 見積書の「保証料」「保証委託料」の金額と、計算の基礎になっている総賃料
- 保証会社の名前とプラン名
- 更新保証料の有無と金額、払うタイミング(1年目か2年目か)
- 月額保証料の有無と、毎月の家賃と一緒に引き落とされるか
- 家賃の支払方法が保証会社の口座振替に決まっていないか(振替手数料がかかることがある)
保証会社の契約書は、申し込みのあとに渡されることが多い書類です。申し込み前に知りたい場合は、管理会社や不動産会社に「保証会社の名前と、初回・更新・月額の費用」を聞けば答えてもらえます。
保証会社を選べるか・連帯保証人がいる場合
保証会社は、物件ごとに管理会社が指定していることがほとんどで、借主が好きな会社を選べることはあまりありません。複数の保証会社から選べる物件もありますが、審査の通りやすさや料金の違いを踏まえて、担当者に相談しながら決めるのが現実的です。連帯保証人を立てられる人でも、保証会社の利用が必須という物件は多くあります。いまは「保証会社の利用に加えて、緊急連絡先を一人」という条件がよく見られる形です。
保証人がいないことで部屋探しが不安な人は、次の記事も参考にしてください。
初期費用の中での保証料の位置づけ
保証料は初期費用の一部です。初期費用全体を比べるときは、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険などと合わせて合計で見ると、物件ごとの差が分かりやすくなります。名古屋での一人暮らしの初期費用の目安は、次の記事にまとめています。
審査そのものが心配な人は、審査で見られる点と落ちたあとの対処を先に確かめておくと安心です。
よくある質問
保証会社の費用は交渉で安くなりますか
保証料は保証会社の料金表で決まっているため、値引きは難しいのが一般的です。ただ、複数の保証会社やプランから選べる物件なら、初回が安いプランや月額型を選ぶことで負担の形を変えられる場合があります。
保証料は初期費用と一緒にカードで払えますか
物件や不動産会社によって違います。初期費用をまとめてカードで払える場合もあれば、保証料だけ別の方法で払う場合もあります。支払方法は申し込みの前に確認しておきましょう。
更新保証料は契約の更新料と同じものですか
別のものです。契約の更新料は貸主に払う費用で、更新保証料は保証会社に払う費用です。物件によっては、どちらか一方だけ、または両方がかかります。
まとめ
- 保証会社の費用は、初回・更新・月額の3つの組み合わせで決まる
- 初回保証料は総賃料の50〜100%ほどが多く、駐車場代などが含まれることもある
- 更新保証料や月額保証料を含めて、住む年数での合計を比べる
- 払った保証料は原則として戻らない
- 申し込みの前に、保証会社の名前と3種類の費用を確認しておく
物件を探すときは、エリアや条件から候補を絞り、気になる物件の見積書で保証料まで確かめてみてください。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。保証会社の料金や条件は会社・プラン・物件によって異なりますので、実際の金額は見積書と保証会社の契約書でご確認ください。


