はじめての一人暮らしで部屋を探し始めると、間取り図や写真に目が向きます。ただ、条件を決めないまま物件を見ていくと、見た数のわりに決められない、という状態になりがちです。先に決めておくとよいのは、予算・場所・譲れない条件の3つだけです。この3つが決まっていれば候補は自然に絞られ、迷ったときの判断基準にもなります。逆に、ここが曖昧なまま内見に行くと、その場の印象で決めてしまいます。
この記事では、その3つの決め方と、探し始める時期、申込みから入居までの流れを順に整理します。金額はいずれも一般的な目安で、実際の条件は物件ごとに異なります。
1. 予算は「毎月」と「契約時」を分けて考える
はじめての人がいちばんつまずくのが、この2つを一緒にしてしまうことです。毎月払える金額と、契約時に一度に用意する金額は別の話で、別々に計算する必要があります。毎月の目安としてよく言われるのが、手取り月収の3分の1以内です。手取り18万円なら6万円ということになります。ただしここで見るのは家賃そのものではなく、毎月払うものの合計です。
- 家賃
- 共益費・管理費
- 保証会社の月額または年額の保証料
- 駐車場代・駐輪場代
- 24時間サポートなどの月額サービス
家賃6万円でも、共益費5千円と月額サービス2千円が付けば6万7千円です。募集情報の家賃だけを見て予算を組むと、この差で毎月苦しくなります。契約時にまとめて払う初期費用は、おおむね家賃の4〜5か月分が目安です。こちらは項目ごとに減らせる余地があるので、別の記事で内訳を整理しています。
予算の見当がついたら、その家賃帯にどんな部屋があるかを見てみると具体的になります。はじめての一人暮らしなら、1Kが探しやすい間取りです。
2. 場所は毎日の動きから決める
駅からの徒歩分数は分かりやすい数字ですが、それだけで場所を決めると、住んでから合わないことがあります。見るべきなのは、家を出てから目的地に着くまでの全体です。
- 最寄り駅までの徒歩分数と、その道の明るさ・坂の有無
- 乗り換えの回数と、使う駅の出口の位置
- 自転車を使うかどうか、置き場所があるか
- スーパーやコンビニ、ドラッグストアまでの距離
- 休日によく行く場所へ出やすいか
通勤や通学が30分以内に収まるかどうかは、毎日のことなので効いてきます。ただし、乗り換えなしで40分のほうが、乗り換え2回で30分より楽なこともあります。時間だけでなく、乗り換えの回数も一緒に見てください。はじめての一人暮らしでは、実家や職場から近すぎず遠すぎない範囲で、いくつか候補のエリアを挙げてから絞るとうまくいきます。1つに決め打ちすると、選べる物件が一気に減ります。
3. 譲れない条件は三つまでにする
すべての条件を同じ強さで求めると、候補が残りません。必ずほしいものと、できればほしいものに分けて、必ずほしいものを三つほどに絞ってみてください。
- バス・トイレ別
- 2階以上
- オートロックなどの防犯設備
- 室内洗濯機置き場
- インターネット対応
- ペットと暮らせる
条件を選ぶときの考え方として、住んでから変えられないものを優先します。家具や家電は後から買い足せますが、部屋の向き、階数、駅からの距離、防犯設備は引っ越さないかぎり変わりません。条件のうち、防犯にかかわるものは住み始めてから変えられません。どれくらいの物件にオートロックが付いているかを見ておくと、絞り込みの感覚がつかめます。
探し始める時期で、選べる量が変わる
1月から3月は、進学と転勤が重なる繁忙期です。募集される物件の数はいちばん多くなりますが、決まるのも早く、迷っているうちに他の人が申し込むことがあります。この時期に探すなら、条件を先に決めておくことがそのまま有利に働きます。5月から8月は募集の数が減りますが、空室が長い部屋では条件の相談に応じてもらえることがあります。引っ越し代も繁忙期より下がります。時期を選べるなら、覚えておくとよい違いです。
入居したい日が決まっている場合は、その1か月半から2か月前に探し始めるのが目安です。早く見つけすぎると、入居日までの家賃が発生してしまいます。
申込みから入居までの流れ
はじめてだと、内見のあと何が起きるのかが分からず不安になります。おおまかには次の順に進みます。
- 内見して、申し込む部屋を決める
- 入居申込書を出す(本人確認書類、収入が分かる書類が必要)
- 保証会社の審査を受ける。早ければ翌日、通常は2〜3日
- 審査が通ったら契約内容の説明を受け、契約書を交わす
- 初期費用を支払う
- 鍵を受け取り、入居
申込みから入居まで、早くて1週間、通常は2週間から1か月ほどかかります。学生の場合は保護者が契約者になる形も多く、そのときは書類のやり取りが増えるため、余裕を見ておいてください。
はじめての人がつまずきやすいところ
- 家賃だけで予算を組み、共益費や月額サービスを入れ忘れる
- 契約時の費用を用意していない。家具・家電・引っ越し代も同じ月に重なる
- 条件を増やしすぎて候補が残らない
- 内見で部屋しか見ず、搬入経路やコンセントを確認していない
- 短期解約違約金に気づかず、1年未満で退去して費用がかかる
どれも、先に知っていれば避けられるものです。分からないことがあれば、部屋を決める前の段階で聞いてしまうのがいちばん早く済みます。
よくある質問
家賃はいくらまでにするのが安全ですか
手取り月収の3分の1以内が目安とされています。ただし見るのは家賃単体ではなく、共益費や保証料を含めた毎月の合計です。奨学金の返済や車の維持費がある場合は、3分の1より下げて考えたほうが無理がありません。
部屋探しはいつから始めればいいですか
入居したい日の1か月半から2か月前が目安です。早く見つけすぎると、入居日までの家賃が発生してしまいます。逆に直前だと選べる物件が限られます。1月から3月に探す場合は決まるのが早いので、少し前倒しにしてください。
内見は何件くらい見るものですか
1日に回るのは3件から4件までにしておくと、記憶が混ざりません。全体では5件から8件ほど見て決める方が多いですが、条件が定まっていれば2、3件で決まることもあります。件数より、条件を決めてから見ることのほうが大事です。
保証人がいなくても借りられますか
借りられます。いまは連帯保証人の代わりに保証会社を使う形が一般的で、保証会社の利用が必須になっている物件も多くあります。その場合は初回保証料と、年ごとの更新料がかかることがあります。
学生でも一人で契約できますか
本人に収入がないのが前提なので、親などを契約者または連帯保証人にする形が一般的です。学生向けの物件では最初からその想定になっているため、手続きはむしろ進めやすいことが多いです。必要な書類は物件によって違うので、申込みの前に一覧をもらっておくと早く進みます。
まとめ
- 決めるのは予算・場所・譲れない条件の3つだけでよい
- 予算は毎月払う合計と、契約時に一度に払う金額を分けて考える
- 場所は徒歩分数ではなく、家を出てから着くまでの全体で見る
- 条件は三つまで。住んでから変えられないものを優先する
- 入居したい日の1か月半から2か月前に探し始める
住みたい街が決まっている方は、区や駅から探すこともできます。条件がまとまっていない段階でもご相談いただけます。
※本記事の金額はいずれも一般的な目安です。募集条件は物件ごとに異なり、変更になる場合があります。最新の内容はお問い合わせください。

