内見は、写真では分からない広さや動線を自分の目で確かめられる機会です。ただ、案内してもらえる時間は1件あたり15分から30分ほどで、思っているより短く感じます。その場で何を見ればよいか決まっていないと、部屋の印象だけが残って、帰ってから「あれを測っておけばよかった」となりがちです。持ち物をそろえて、見る順番を決めておくだけで、同じ時間でも持ち帰れる情報がかなり変わります。
この記事では、内見に持っていくものと、その場で見ておきたい場所を順に整理します。複数の候補を比べる段階の記録のしかたは別の記事にまとめているので、この記事は1件の内見に行く前の準備に絞ります。
内見に持っていくもの
特別な道具は要りません。次の5つがあれば足ります。
- メジャー:5メートル以上のもの。1メートルでは搬入経路が測れません
- いま使っている家具・家電の寸法メモ:幅・奥行き・高さ。冷蔵庫と洗濯機とベッドは必須
- スマートフォン:写真、方位磁石、水平器、電波の確認に使います
- 筆記具とメモ:手を動かしたほうが記憶に残ります
- スリッパか厚めの靴下:空室は床が冷たく、土足禁止のこともあります
あると助かるのは、部屋の図面のコピー(測った数字を直接書き込めます)、モバイルバッテリー(写真と地図で電池が減ります)、そして同居する人がいればその人自身です。写真を撮るときは、案内してくれる担当者に撮ってよいか先に確認してください。入居中の部屋や、他の入居者が写り込む共用部は断られることがあります。内見に行く前に、候補になりそうな部屋をいくつか見ておくと、当日の見どころがはっきりします。
メジャーは部屋より搬入経路で使う
部屋の広さは図面に書いてあります。図面に書いていないのは、そこまで家具を運び込めるかどうかです。ここで引っかかると、部屋がどれだけ気に入っていても住めません。
- 玄関のドアの幅と高さ(ドアを開けきったときの、実際に通れる幅)
- 廊下の幅と、曲がり角の広さ
- 階段の幅と天井の高さ、エレベーターの扉と内寸
- 洗濯機置き場の防水パンの内寸(外寸ではなく内側)
- 冷蔵庫を置く場所の幅と、扉を開ける向き
- エアコンの室外機を置く場所
防水パンは特に見落としやすい場所です。いま使っている洗濯機が入らず、買い替えになることがあります。奥行きと幅の両方を測っておいてください。
コンセントは位置と数を数える
生活してから困るのが電源です。数が足りない、必要な場所にない、家具を置くと隠れる。どれも後から動かせません。部屋ごとに、コンセントがいくつ、どの高さにあるかを数えます。あわせてテレビ端子とインターネットの引き込み口の位置も見ておくと、机やテレビの置き場所が決まります。エアコン専用のコンセントがあるかも確認してください。
水まわりは、使うつもりで見る
蛇口をひねってよいか確認したうえで、水を出してみます。水圧が弱い、お湯が出るまで時間がかかる、といったことは写真では分かりません。排水口のにおいも確かめます。長く空室だと封水が乾いてにおうことがあり、これは入居後に水を流せば直ります。一方で、換気扇が回らない、カビが広がっているといったものは、入居前に直してもらえるかを聞いておく話です。
収納は奥行きを見る
収納は扉の幅で広さを判断しがちですが、実際に入る量を決めるのは奥行きです。奥行きが45センチあれば衣装ケースが入り、押入れのように75センチ以上あれば布団もしまえます。ハンガーをかけるパイプの高さも測っておくと、長いコートが入るかどうかが分かります。玄関の靴入れは、何足分の棚があるかを数えておきます。
音と日当たりは、行った時間をメモしておく
窓を開けて外の音を聞き、閉めてどれくらい静かになるかを比べます。上下左右の生活音は内見の時間帯だけでは分かりませんが、建物の前の道路の交通量や、線路・幹線道路との距離はその場で確かめられます。日当たりはスマートフォンの方位磁石で窓の向きを確認します。ただし、同じ南向きでも前に建物があれば入る光は変わります。見た印象ではなく、何時に行ったかを必ずメモしてください。朝に見た部屋と夕方に見た部屋を、そのまま比べることはできません。
音の伝わり方は建物の造りで変わります。築年数の新しい物件は遮音や断熱の基準が新しいことが多いので、候補に入れておくと比べる幅が広がります。
駅からは、実際に歩いてみる
案内の車で行くと、駅からの道のりが分からないまま終わります。可能なら、帰りだけでも駅まで歩いてみてください。表示されている徒歩分数は1分を80メートルで計算した数字で、信号待ちも坂も含まれていません。あわせて、夜の暗さ、コンビニやスーパーの位置、自転車を置ける場所も見ておくと、住んでからの生活が想像しやすくなります。
その場で聞いておくこと
案内してくれる担当者にその場で聞けることは、後から電話で聞くより早く正確です。
- いつから入居できるか
- 設備で故障しているところはないか、入居前に直してもらえるか
- 駐輪場・駐車場は空いているか、料金はいくらか
- インターネットは何が使えるか、無料か自分で契約するか
- ごみ出しの場所と曜日
- 退去時のクリーニング費用が決まっているか
契約条件は、案内時に聞いた印象だけで判断せず、最新の書面で確認してください。口頭の説明と募集条件が食い違うことがあります。候補が複数になって比べる段階に入ったら、記録のしかたを整理した記事があります。あわせて読んでみてください。
よくある質問
内見の持ち物で、どうしても外せないものはどれですか
メジャーと、いま使っている家具・家電の寸法メモの2つです。この2つがないと搬入できるかどうかを判断できず、帰ってから調べ直すこともできません。逆に、これ以外は忘れてもその場でなんとかなります。
内見で写真を撮ってもいいですか
担当者に確認すれば、空室であればたいてい問題ありません。ただし入居中の部屋や、他の入居者が写り込む共用部は断られることがあります。撮るときは、部屋の四隅から全体、収納の中、コンセント、水まわり、そして窓からの景色を押さえておくと後で役に立ちます。
内見にかかる時間はどれくらいですか
1件あたり15分から30分ほどです。移動を含めると、3件で半日ほどを見ておくと余裕があります。時間が足りないと感じるのは、見る場所を決めずに入ったときです。
内見は何件くらい回るのがよいですか
1日に回るのは3件から4件までにしておくと、記憶が混ざりません。多く見れば良い部屋に出会えるというものでもなく、6件を超えたあたりから、どの部屋がどれだったか分からなくなります。
内見に一人で行っても大丈夫ですか
問題ありません。ただし同居する人がいる場合は、できるだけ一緒に行ってください。生活時間や動線の感じ方は人によって違い、写真と説明だけで合意するのは難しくなります。
まとめ
- 持ち物はメジャー・家具の寸法メモ・スマートフォン・筆記具・スリッパの5つで足りる
- メジャーは部屋より搬入経路で使う。玄関・廊下・階段・防水パンの内寸
- コンセントは位置と数を数える。後から動かせない
- 収納は扉の幅ではなく奥行きを見る
- 音と日当たりは、行った時間をメモしないと比べられない
- 駅からは帰りだけでも実際に歩いてみる
内見したいエリアが決まっている方は、区や駅から探せます。気になる部屋があれば、空室状況の確認からご相談ください。
※設備や募集条件は物件ごとに異なり、変更になる場合があります。最新の内容はお問い合わせください。

